究極の経審評定アップ戦略

※短期戦略

現在進行期の年度決算に向けてつぎの対策を実施する。

  1. 人件費、事務コストなどの固定費を削減。
  2. 請負工事を期中に完成させるよう工期短縮。
  3. 完成工事未収入金を現金か小切手で決算日までに回収。
  4. 赤字が明らかな受注は絶対にしない。
  5. 役員借入れなど身内債務を整理。
  6. 借入金は金利、期間など少しでも有利な条件のところに借り換え。
  7. 不良債権化している貸付金を整理してしまう。
  8. 外注任せではなく自社技術により、現場管理を徹底、コスト削減、工期短縮などを図る。
  9. 適法な節税策を立て、適正な利益を生み、減価償却が正常に行えるようにする。
  10. 資金に余裕があれば借入金を減らす。または有利な短期投資に回す。
  11. 未成工事支出金、完成工事未収入金が期中で決算できるように決算期を変更(一度だけ)。

※中期戦略(Ⅰ)

- Y評点が300点未満の企業

  1. なによりも社長自らが会社の実態を正確に把握する。
  2. いつ倒産してもおかしくない状況にあるのだから、社長が「会社を継続させる強い意志」をもって行動すること。
  3. 資金調達が急務。銀行を当てにせず、会社の不動産や社長の個人資産を売却し、協力願える第三者からの出資を求めるなどの対策を実行。
  4. 役員報酬、事務コスト、法定福利費などの固定費を削減。
  5. 施主や元請業者に折衝し、工事未収金などをできるだけ早く回収。取引先には支払をできるだけ猶予してもらう。
  6. 会計事務所任せではなく社長自らが資金調達を行う。
  7. 市、県、国などの制度融資を検討し、できるだけ銀行融資を受けないこと。
  8. 通常の営業は自己資金中心で行う努力と工夫をすること。

※中期戦略(Ⅱ)

- Y評点が700点未満の企業

  1. 社長自らが経営基盤が脆(ぜい)弱な自社の実態を文書化すること。(そうすれば実態がよく分析出来てくる)
  2. 発想の転換。利益が出るかどうかやってみよう方式はダメ。必ず先に利益を設定していまい、つぎにどうしたらその利益獲得が可能にできるのかを考えること。売上-原価=利益ではなく、原価=売上-利益とする思考をする。利益を差し引いた残りを原価として工事が完成できるようにするにはどうしたらよいのか、あらゆる努力と工夫をする。
  3. 会社全体で利益確保のシステムを作るために、全社員と徹底して話し合い、請け負けしないあり方を研究する。
  4. 年間資金繰り表を作成し毎月点検して予算管理をおこなう。予算どおりの実績が出ない場合は理由を徹底追及し是正する。

※公共工事の受注のための戦略

  1. 他社に負けない施工部門を作り、自社をアピールする。
  2. 下請けや、JVに参加して技術力を高め、公共工事の施工実績を増やす。
  3. 公共工事に実績のある協同組合に加入し、共同受注を狙う。

※その他経審評点アップの着眼点

  1. 2級経理事務士がいれば総合評点が9点上るので、事務員には経理事務士資格に挑戦させ、全社員が一体となって緊張感をもち、経審の評点アップに全社員一丸で努力させること。
  2. 総合評点で1000点以上を確保する為には、安定的指標である技術力評点Zで点数を稼ぐことが必要。技術者が退職するのは決算日以降に、入社するのは決算日前にしてもらう。
    (総合評点とは上限2,082点 下限278点 平均を700点に設定してある。)
  3. 評点アップの具体的数値目標を設定し、全社的に本気で評点アップ対策に取り組む。
  4. ランク付けの対象となる経審がある年度は、決算の2~3ヶ月前には、建退共の手帳更新、労災上乗せ保健の失効などが無いよう総務関係の総点検を実施すると共に、評点の予想シュミレーションを行い業績全般の総括と対策を検討する。
  5. 社内改革を断行し、勘に頼った経営から科学的システム管理経営への脱皮を果たすためにISO9000を導入する。
    そのためには建設業に詳しいコンサルタントを選び、実行予算管理をしっかり組み入れたシステムを作る。ただし、文書量が少なく使いやすいシステムを構築するコンサルタントを選ぶこと。 
    これが今後の建設業界淘汰で勝ち組となるための必須ライセンス。そして最終的には、国策どおり、経営と技術に優れた業者だけが生き残ることとなる。

(出典:全国建設関係行政書士協議会 編著 「新経審Q&A第6版」日刊建設通信社発行)